歯の疑問 ずばり解決!

彼女から「口が臭い」と言われ…ストレスとの関係はあるか

「ドライマウス」にも?

 ストレスを受けると、ストレスホルモンである「カテコールアミン」と「コルチゾール」という2つの副腎皮質ホルモンが分泌され、そのひとつである「ノルアドレナリン」が歯周病原細菌の病原性を高めてしまうことがわかっています。

 20代後半の若い患者さんの例ですが、検診を定期的に受けに来られていた真面目な方だったのに、あるときからパタッと来なくなったのです。3年ほどして診察したときには歯周病がかなり進行していて、本当に同一人物なのかと疑いました。

 そこで治療に入る前にじっくり話を聞くと、仕事にうまく慣れることができず、上司ともうまくいかず、会社に行きたくないほどのストレスの中で生活していたといいます。「歯科医院に検診を受けに行けるような精神状態ではなかった」とのことでした。

 この方は今は落ち着いて、また定期的にクリーニングを受けられていますが、現代社会における過度なストレスと歯周病は密接に関係していることを改めて感じさせられました。

 (構成=小澤美佳)

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北沢伊

北沢伊

1977年7月8日、長野県生まれ。斉藤歯科医院院長。2003年に日本大学松戸歯学部を卒業。同年から同院に勤務し、13年から院長に就任した。若手歯科医師に向けたセミナーの講師を務め後進の育成にも取り組んでいる。日本口腔インプラント学会専門医。千葉県歯科医師会所属。

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