口の周りや陰部に水ぶくれができることで、冒頭で述べたように患者さんは頭痛や生理痛のたびに、口唇ヘルペスや性器ヘルペスが出ると勘違いしやすいのです。私の診療経験からいえば、男性の患者さんの場合は亀頭部に発疹ができることが多いです。
発疹は水ぶくれが破れてびらんとなりますが、原因の薬をやめてステロイド外用薬を塗っておけば治癒します。治った後は少し紫色がかった色素沈着が残ります。再発を繰り返していると、色素沈着も強く、発疹の数も範囲も拡大する傾向がありますので、固定薬疹を起こした薬は二度と使わないことが大切です。
原因となる成分を含む薬は患者さんによって異なり、市販薬でも処方薬でもさまざまな薬で起こります。一般的には「総合感冒薬(風邪薬)」「解熱鎮痛薬」「抗生剤(抗菌薬)」などの頓服薬が多いようです。
例えば、▼「アリルイソプロピルアセチル尿素」(バファリン、ノーシン、ロキソニン、アダム、セデスなど)▼「エテンザミド」(ノーシン、セデス、ドキシン、ナロンエース、セピーゴールドなど)▼「アセトアミノフェン」(バファリン、イブ、パブロン、ルル、コンタックなど)▼「ミノマイシン」(テトラサイクリン系抗菌薬)▼「クラビット」(ニューキノロン系抗菌薬)、などです。
市販薬にはさまざまな成分が配合されています。原因成分を特定するには皮膚科で検査を受けるといいでしょう。
専門医が教える パンツの中の秘密