その一方、ネコは集団行動しないため、ネコ同士で感染が急速に広がる可能性は人間より低いと考えられ、ネコが、再び新型コロナウイルスが動きだすための待機場になるとも考えにくい。
とはいえ、人間のインフルエンザウイルスの受容体と鳥インフルエンザの受容体を併せ持つブタが体内で遺伝子再集合させて人間に感染する鳥インフルエンザをつくったように、ネコの体内で変異した新型コロナウイルスを生み出す可能性はないのか?
「可能性はゼロとは言えません。実際、ネコの致死性が高いネコ伝染性腹膜炎ウイルスは、イヌコロナウイルスとネココロナウイルスの組み換えによって生じたことが示唆されています。しかし、ウイルスの突然変異や組み換えは、ほとんどの場合はウイルスの病原性は変化しない。もしくは、わずかに下げる方向に働く場合が多いです。そのため、ウイルスの新しい変異株が見つかった、新しい組み換えが見つかった、というニュースについては、そこまで神経質になる必要はないと思います。一方で、まれにそうではない場合もありますので、今後も更に研究を続ける必要があると考えます」
緊急企画 新型コロナを正しく恐れる