中でも、配偶者を亡くした後、その喪失感から空いた時間を全て酒につぎ込むようになる人は男性に多い。
それを食い止めるには、子供である自分と家族が電話をしたり、実家を訪れるなどして喪失した心の隙間を少しでも埋めていくしかない。高齢者のアルコール依存症の治療をやっている専門機関を探して相談する手もある。
高齢者のアルコール依存症は、他人事として切り捨てられない。これが、念頭に置いておきたいことのもう1つだ。
自分の将来の姿でもあると考え、喪失体験から酒に耽溺しないための手だてを講じておくべきだ。
それは、生活習慣や飲酒習慣を変えることでもあり、もしもの時に自分を支えてくれる家族や友人関係を今から築くことでもある。「何もすることがない。飲むか」とならないように。