唾液を使ったPCR検査が可能に 北大教授の画期的研究が進む

鼻や喉からの検体採取より安全(C)ロイター

「新型コロナウイルスというのは、ある特定の受容体にくっつき、その発現が口の中で多いことが分かってきました。おそらく症状の出ない人の味覚に異常が出るのも、このためだと思われます。つまり、口の中でウイルスが増えてうつす、こういう流れです。そのため、すでに米国ニュージャージー州ではドライブスルー方式で唾液を採取するPCR検査法が始まっています。

 今のPCR検査のやり方(綿棒方式)の問題点は、熟練した採取者の確保が困難なことや、採取者や周囲の感染リスクがあること、隔離された採取場所が必要なこと――が挙げられます、しかし、この唾液を使ったPCR検査だと、容器に唾を吐いてもらうなどして検体を採取して調べることができます。これだと感染のリスクも抑えられるし、隔離された場所も必要ありません。ただでさえ、ひっ迫する防御具を浪費する心配もないのです。今のところ臨床段階ですが、綿棒採取と唾液採取の結果は変わりません」

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