研究33年ウイルス学者が語る新型コロナ

コロナは“お化け”のような存在ではない 動物ではメジャー

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 コロナウイルスは、SARSウイルスや中東呼吸器症候群コロナウイルス、新型コロナウイルスを除いては知名度が低く、ウイルスの中ではメジャーな存在ではないと思われる方も多いのではないだろうか。

 しかし、コロナウイルスは動物界に感染するウイルスの中では決してマイナーな存在ではない。

 ウイルス名は、国際ウイルス命名委員会で決められ、他の生物と同様に「種、属、科、目」のように段階的に分類されている。コロナウイルス科のウイルスは、オルソコロナウイルス亜科とレトウイルス亜科に分類される。オルソコロナウイルス亜科のウイルスは、さらにアルファからデルタまでの4つの属に分けられている。

 アルファとベータコロナウイルスは哺乳類に感染している。ガンマとデルタコロナウイルスは主に鳥類に感染している。最新のリストでは、60種以上のウイルスがオルソコロナウイルス亜科に存在する。

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宮沢孝幸

宮沢孝幸

京都大学ウイルス・再生医科学研究所附属感染症モデル研究センターウイルス共進化分野准教授。日本獣医学会賞、ヤンソン賞などを受賞。小動物ウイルス病研究会、副会長。

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