研究33年ウイルス学者が語る新型コロナ

すべての起源は動物だが…人間のウイルスはどこから来たか

牛にもコロナウイルスは存在する

 新型コロナウイルスの正式名称は、「重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス2型」であり、略称は「SARS―COV―2」となる。このウイルスは、8番目のヒトのコロナウイルスである。

 メジャーなコロナウイルス群(オルソコロナウイルス亜科)は、アルファからデルタコロナウイルス属から成る。ヒトのコロナウイルスはすべてアルファとベータコロナウイルス属に属している。

 アルファコロナウイルス属には、ヒトに「かぜ症候群」を引き起こすヒトコロナウイルス229EとNL63がある。

 ベータコロナウイルス属にはヒトコロナウイルスOC43とHKU1、ならびにヒト腸内コロナウイルスがある。

 さらに、SARSコロナウイルス1型、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス、そして今回のSARS―COV―2がある。

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宮沢孝幸

宮沢孝幸

京都大学ウイルス・再生医科学研究所附属感染症モデル研究センターウイルス共進化分野准教授。日本獣医学会賞、ヤンソン賞などを受賞。小動物ウイルス病研究会、副会長。

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