座ったときの姿勢はどうでしょうか? 前回もお話ししましたが、本来人間の背骨は成人で約5キロともいわれる頭部の重さを支えるためS字状になっています。ところが座ると背骨のS字状が崩れてアーチ状になり、腰や椎間板への負担が大きくなって疲れやすくなるのです。ですから、椅子に座ったときの良い姿勢というのは、背もたれと座板で第3腰椎周辺をしっかりサポートできるように深く座り、前傾になり過ぎず、頭部が骨盤に垂直になるように努めることです。見た目が良いからと「モデル座り」をする人がいますが、これは体に負担をかけてしまいます。椅子に浅く腰掛けて、背筋を伸ばして座る姿勢のことですが、これでは自分の体重を足の付け根と座骨で支えることになり、ももの裏側などに圧力がかかりやすくなる。それをさけるために、重心を前にして机に置いた肘で支えて圧力を分散しようとします。しかし、これでは長時間座ることはできません。
骨と筋肉の疑問に答える