専門医が教える パンツの中の秘密

受精に「PH」の攻防あり 意外に知らない“ガマン汁”の役割

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 排卵直前になりエストロゲンの血中濃度が上昇すると、頚管粘液の分泌量が増えて透明度が高くなり、粘液がよくのびるようになります。そうなると精子は粘液を通過し、受精が起こる卵管へと進むことができるのです。

 このように受精には「pH」の攻防があるのです。腟内に射精される精子数は約2~3億個。そのうち子宮頚管を通過できるのは1%。その後、100万分の1まで減少し、受精できるのはたった1個。それが“あなた”です。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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