役に立つオモシロ医学論文

世界的医学誌で報告 新型コロナはA型の人で重症化しやすい

ロックダウン解除後、カフェで楽しむ人々(フランス・パリ)/(C)共同通信社

 その結果、血液型がA型の人では、A型ではない人に比べて重症化の可能性が45%、統計的にも有意に高いという結果でした。他方で、O型の人では、O型ではない人に比べて重症化の可能性が35%、統計的にも有意に低いことが示されています。

 4000例規模の解析なので、ごくわずかなリスクの差を検出したにすぎず、実際の生活レベルでは大きな違いはないかもしれません。とはいえ、ノロウイルス感染症やマラリアなど、一部の感染症では、血液型によって感染リスクや重症化のリスクに差があることが知られています。

 今回の新型コロナウイルス感染症についても、その重症化リスクに遺伝要因の影響があるのかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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