あるいは浮遊しても、胞子によって千差万別だが30分から1時間ほどで床に落ちてしまう。部屋に落ちた胞子は、掃除をすれば問題はない。
しかし、胞子が空中を浮遊している間に、空気と一緒に吸い込んでしまった場合、問題が生じかねない。吸い込んだカビは気管と気管支を通り、枝分かれしながら細気管支に入る。その先にあるのが「肺胞」だ。酸素と二酸化炭素のガス交換をしている肺胞に入ると、アレルギー反応が起こる。つまり、リンパ球がカビを異物とみなして増加し、細気管支や肺胞を攻撃することで炎症を起こしてしまうのだ。これが「過敏性肺炎」である。
■換気が不可欠
息切れ、咳、発熱などの症状が表れ、こうした症状が半年以上も続くと「慢性過敏性肺炎」の病名が付く。夏風邪なら10日間もすれば自然と治る。しかし、それ以上に微熱や咳が続くようなら、過敏性肺炎を疑った方がいい。とくに特定の部屋や家にいるときだけ症状が出るという人は要注意だ。