脳卒中は「夏の病気」? 熱中症と間違えないよう要注意!

(C)itakayuki/iStock

 では、夏場でも血液の流れを良好に保つにはどうすればいいのだろうか? 「自律神経を整える『長生き呼吸法』」(アスコム)を刊行した順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、「血液の流れを良くするには、普段の呼吸を『ゆっくり深く』することが大切」だと話す。

「人間の血管には、すべてに自律神経が沿って走っています。血液の流れをコントロールしているのは自律神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから構成されていて、2つのバランスが崩れてしまうと血液の流れが悪くなってしまいます。しかし、ゆっくりと深く呼吸すると自律神経のバランスが整い、血流がアップすることがわかってきました」

 なぜ、呼吸をゆっくりと深くするだけで自律神経のバランスが整うのだろうか?

「それは、肺を収縮させる横隔膜という筋肉には自律神経が集まっているからです。ゆっくりと深く呼吸すると、横隔膜が大きく動き、刺激を与えることができます。すると、リラックス効果のある副交感神経のレベルが高まり、自律神経のバランスを正常にできるのです。私の研究では、ゆっくりと深く呼吸をすると、すぐに毛細血管の血流量がアップすることを確認しています。つまり、呼吸には一瞬で体の状態を変える力があるのです」

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