専門医が教える パンツの中の秘密

おしっこしたのにすぐにしたくなる「二段排尿」の原因は?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一方、二段排尿がある場合に疑われる病気のひとつに「膀胱憩室」があります。「憩室」とは、臓器の組織の一部が風船のようにプックリ膨れる(袋状になる)状態を言います。大腸の壁の一部が外側に向かって飛び出す「大腸憩室」もよく知られています。

 尿は腎臓で作られ、腎臓の中心部の「腎盂(じんう)」から「尿管」を通って膀胱にためられます。この尿路のどこかの壁の一部が弱くなって、尿の圧力によって袋状に突出した状態が「尿路憩室」です。膀胱憩室はそのひとつで、筋肉でできた膀胱の一部が外側に向けて袋状に突出した状態です。

 この膀胱憩室ができる原因となるのが前立腺肥大症なのです。ほかにも「神経因性膀胱」「尿道狭窄」なども原因になります。

 つまり尿の流れがスムーズにいかなくなる尿路疾患があると、膀胱内の圧が上昇して憩室ができるのです。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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