医者も知らない医学の新常識

新型コロナウイルス感染症も重症化…血糖は低くても危険!

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病があると「新型コロナウイルス感染症が重症化しやすい」というのは、広く知られている知見です。ただ、これは新型コロナに限った話ではありません。

 そもそも糖尿病という病気は体の免疫を低下させるので、インフルエンザなど他の感染症も重症化しやすく、肺炎なども併発しやすい、という特徴があるからです。傷などの治りも悪くなるので、外科手術の時には、糖尿病がないかどうかは必ず聞かれますし、糖尿病があって血糖コントロールが悪いと、それだけで手術は延期されてしまいます。

 それでは、血糖は低ければ低いほどいいのでしょうか?

 もちろんそんなことはありません。血糖が通常より低い低血糖になると、手の震えや頭痛などが起こり、重症の低血糖では脳の働きも低下してしまうからです。

 今年の糖尿病の専門誌に、新型コロナウイルス感染症の重症化と、血糖値との関係を検証した論文が掲載されました。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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