進化する糖尿病治療法

7時間睡眠になったら糖質や甘いものが欲しくなくなった

睡眠は量とともに質も大事(写真はイメージ)

 千葉県在住の40代男性は、都内の職場まで片道1時間半かけて通勤していました。3月末以降在宅勤務が主になり、大きく変わったのは睡眠時間です。平日は4~5時間しか眠れなかったのが、今では最低でも7時間の睡眠時間を確保できるようになり、慢性的な睡眠不足から解消されました。

「日中眠気を感じないので、仕事の効率がよくなりました。また、不思議と、糖質を前ほどは欲しなくなりました」(40代男性)

 1日に3~4本飲んでいた甘い缶コーヒーを欲しくなくなり、何か飲むなら水やお茶。活動量が減っているので大幅に体重減とはまだなっていないものの、ゆるゆると体重は落ちていて、ベルトの穴がこの5カ月で2つ小さくなりました。

 この40代男性が痩せたのは、睡眠不足が解消されたことと大いに関係があると考えられます。というのも、睡眠時間が食事の内容や生活習慣病に関係していることは、複数の研究で証明されているからです。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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