専門医が教える パンツの中の秘密

5歳までにはほぼ治るが…なぜ幼児は「おねしょ」をするのか

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 腎臓には、毎分約1.2リットル(1日約1700リットル)もの血液が心臓から流れ込んでいます。その大量の血液は腎臓の糸球体というところでいったんろ過されて、そのうち約170リットルが「原尿」という尿の原料になります。その原尿は腎臓の尿細管で、さらに水分や成分が再吸収されます。そして、最終的に尿として排出されるのは、ろ過する血液の0.1%程度(約1.7リットル)です。

 バソプレッシンは、尿細管での再吸収を促進させて尿量を減少(尿を濃縮)させ、体内の水分量が不足しないように調節しているのです。睡眠中だけでなく、「脱水が激しい時」「塩辛いものを多く食べた時」なども分泌が高まります。

 しかし、このような機能が発達している大人でも「夜間頻尿」や「夜間多尿」ということが起こります。加齢によって膀胱自体の弾力性が低下して、膀胱容量が減るということもありますが、糖尿病で多尿になったり、前立腺肥大が頻尿に影響したり、大人の場合は持病が関係してきます。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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