専門医が教える パンツの中の秘密

「前立腺炎」の9割は原因不明 特効薬がなく治療は長期化

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 男性にしかない生殖器の一つに「前立腺」があります。膀胱(ぼうこう)の真下にあり、尿道を取り囲むように位置しています。一般的な成人男性で、肥大していなければ通常はクルミ大ほどの大きさです。精液の3割ほどを占める「前立腺液」を分泌して、精子に栄養を与えたり、精子を保護したりする役割をしています。

 この前立腺に炎症が起きた状態を「前立腺炎」と呼びますが、急性のものか慢性のものか、原因が細菌感染か感染以外のものかで、次の4つに分類されます。

 カテゴリーⅠが「急性細菌性前立腺炎」、カテゴリーⅡが「慢性細菌性前立腺炎」、カテゴリーⅢが「慢性非細菌性前立腺炎」、カテゴリーⅣが「無症状性炎症性前立腺炎」。さらにカテゴリーⅢは、炎症を伴う「炎症性(Ⅲa)」と炎症のない「非炎症性(Ⅲb)」に分けられます。そしてカテゴリーⅡとⅢを合わせて「慢性前立腺炎」と呼びます。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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