専門医が教える パンツの中の秘密

20~30代に多い 精液に血が混じるのは珍しいことではない

写真はイメージ

 精液に混じった血液の見え方は人によって異なります。出血の時期が古ければ茶褐色や、どす黒くなり、血液の塊が混じることもあります。比較的新しい出血であれば、ピンク色や鮮血色の明るい色になります。

 考えられる原因としては、精嚢または前立腺の「炎症」、座りすぎなどで起こるうっ血による「循環障害」です。他には精子輸送路(精巣、精巣上体、精管、精嚢、前立腺)の「腫瘍」「嚢胞」「結石」なども考えられます。

 しかし、実際には検査しても異常が確認できない「特発性血精液症」と診断されることが多いです。

 検査は、ペニスと精巣・精巣上体の視診や触診。前立腺・精嚢の直腸診(肛門から指を挿入して調べる検査)や超音波検査。尿検査や精液検査。尿検査で血尿を伴う場合には、膀胱や腎臓の超音波検査を行うこともあります。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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