■どれくらい効く?
ワクチンを打てばどれくらい発症を防げるのかについても、あらためて考える必要がある。臨床第3相試験では、ファイザーが約95%、モデルナが約94%という「有効率」が確認された。劇的な効果がありそうに思えるが、この有効率は、ワクチンを接種すれば9割以上の人が発症を防げることを示した数字ではない。
ファイザーの臨床試験では、参加した約4万人を「ワクチンを接種する2万人」と「偽薬(プラセボ)を接種する2万人」に振り分けた。その結果、接種した2万人のうち発症したのが8人、偽薬を接種した(ワクチンを接種しなかった)2万人のうち162人が発症した。ワクチンを接種すれば、接種せずに発症した162人を8人に減らせる――これが有効率95%という数字になる。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)でウイルス学・ワクチン学の研究に携わった七合診療所所長の本間真二郎氏は言う。