風邪をひくとだるくて眠くなり、一日中寝ていても平気……という状態になることがあります。その反対に、風邪が重症で高熱が出ているような時には、寝ることもつらくて出来ないというような場合もあります。どちらの状態も、風邪が治れば元に戻ります。こうしたことから分かるように、風邪をひくということと睡眠の状態との間には深い関係があるようです。
しかし、それはどのような関係なのでしょうか? 風邪の原因となるウイルスに感染すると、体を守る働きを持つ免疫細胞はサイトカインという炎症を起こす物質を産生します。それにより体に炎症が起こり、熱や体の痛みが生じます。熱や痛みは不快なものですが、実は体の免疫力を高め、ウイルスを退治するのに重要な働きがあるのです。それと同時に炎症性サイトカインの代表であるインターロイキン1という物質は、脳に働いて深い眠りを増やすような働きを持っています。
医者も知らない医学の新常識