専門医が教える パンツの中の秘密

トイレで用を足したとたんに…「排尿失神」のメカニズム

写真はイメージ

 これを排尿失神が起こるメカニズムで説明するとこうなります。

 ビールなどを大量に飲んで膀胱(ぼうこう)に尿が充満すると、反射的に血管収縮(交感神経が働く)が起こります。そして排尿をすると迷走神経反射(副交感神経が働く)によって血管が拡張します。

 ところが迷走神経反射が過剰に反応すると、血管の拡張が強過ぎて血圧が下がり過ぎて失神してしまうのです。

 反射性失神には有効な薬はありません。トイレで失神すると、便器で顔や頭部を強打する危険性がありますので、十分注意しましょう。

3 / 3 ページ

尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

関連記事