「ワクチン開発は、その過程で病原体を取り扱います。そのため、安全性が確保された実験室を使用するのですが、その数は限られています。また、実験室はウイルス危険度によってP1~4の段階がありますが、防護服の着用や排気方法に規制のある封じ込め実験室であるP3(鳥インフルエンザ、SARSウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなど)で稼働中なのは東大や阪大など20カ所余り。さらに高度な封じ込め実験室となるP4(エボラウイルスなど)で稼働中なのは現在、国立感染症研究所(感染研)しかありません。全国に複数点在するのはP2(インフルエンザ、C型肝炎、デングウイルスなど)と呼ばれるタイプで、人や動物に対し、病気を起こす可能性の低い微生物や起こしても重大な影響を与えない微生物を扱うことができる実験室なのです」
研究者の数も306人(2018年)で、職員全体で1万5000人規模の米疾病対策センター(CDC)とは比べものにならないレベルだ。
新型コロナワクチンの疑問に答える