進化する糖尿病治療法

食事は「一汁三菜の時は少なくとも2品はノンオイル」で

食の意識改革を

 もし牛丼が食べたいなら、丼ではなくお茶碗に軽く一膳にし、牛肉のほかホウレン草のおひたし、ワカメの酢の物、ひじきと大豆の煮物、冷ややっこ、野菜たっぷりの味噌汁などをプラスする。

 自炊しない人では、理想的な献立をパパッと考えるのは難しいかもしれません。それなら、「主食だけでお腹いっぱいにしない。おかずに肉系または魚系の料理1品、肉系または魚系以外の料理1~3品」といったふうに考えればいいでしょう。

■糖尿病をきっかけに考えて欲しいこと

 ある糖尿病患者さんは、好きな漫画に出てきた献立法を参考にしていました。それはテレビドラマ化もされたよしながふみさんの「きのう何食べた?」で、主人公が料理を作るときに意識しているもの。具体的には、一汁三菜の献立の時は「少なくとも2品はノンオイル」にし、夜8時半以降に夕食を食べる時は白飯を食べない。おかずは「甘じょっぱい」「しょっぱい」「すっぱい」のバランスを取り、どこかに緑黄色野菜を入れる。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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