コロナ第4波に備える最新知識

コロナワクチンの効果を評価するのは早すぎるのではないか

イスラエルとチュニジアの2月の新型コロナ死亡者数(C)日刊ゲンダイ

 むろん、両国には、人口差以外に高齢者比率、肥満や糖尿病といったリスク要因を持つ人の割合などに違いがある。正しくはグループごとの比較が必要だ。しかし、両国の2月の新型コロナ死亡者数のグラフのトレンドでも大きく異なっても不思議ないと思えるのだが、どうだろうか?

 そもそもワクチンが有効だとする、イスラエルのデータ解析をもって世界中の人が「ワクチンは有効」と考えていいのだろうか?

■論文の解析対象の死亡は41例

 2月24日付の医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に掲載された「1回目の接種から14~20日後に新型コロナウイルスの発症率が57%低下し、重症化率が62%低下、死亡の予防における有効性は72%」「2回目のワクチン接種から7日以上経過した人は、未接種者に比べて新型コロナウイルス感染症の発症率が94%低く、重症化率も92%低い」との論文からメディアでは「ワクチンは有効」と報じている。その分析手法はもちろん正しいが、評価にはより慎重であるべきだとの考えを持つ向きもある。

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