コロナ第4波に備える最新知識

緊急事態宣言解除後に感染者急増のナゾ 「腸管」で持続感染?

新規感染者数が急増(C)日刊ゲンダイ

 新型コロナウイルスはウイルス表面のスパイクタンパク質を介してACE2受容体を発現している細胞に感染する。この細胞はさまざまな臓器に存在するが、発現の程度は上気道のほかに小腸の上皮細胞にも強く発現する。だからこそ、新型コロナは風邪症状以外にも消化器症状を起こすことがあるのだ。

 腸管に感染していても下痢などの自覚症状がないケースもある。

 下水が完備されている日本では、他人に感染させる能力はないかもしれない。しかし、ストレスなどで抵抗力が低下した際に再び体内でウイルスが広がり、上気道や唾液にウイルスが増え、他人に感染させるようになることも考えられる。

 腸管に持続感染している状態でワクチンを打つと寝た子を起こすことにならないのか?

 ワクチン接種によって免疫応答が誘導されると、サイトカインによって免疫細胞(マクロファージ)が活性化し、新型コロナウイルスの受容体であるACE2受容体が発現する。ウイルスに感染した免疫細胞が腸管から他の組織にウイルスを運んでしまう可能性は考えられる。PCR検査で陰性だった人が、新型ワクチンを接種した後に陽性になることも報告されている。

 ワクチンを打ったことによる気の緩みではないかとの推測もあるが、単に腸管に潜んでいたウイルスが活性化した可能性もあるのではないか。

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