コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

スマホアプリによる「デジタル高血圧治療」臨床結果は上々

「味噌汁のスープは残す」などの治療ガイダンスも(写真はイメージ)

 アプリは降圧薬による治療を行っていない患者や、薬の服用に抵抗感のある軽症患者を主な対象としている。

 高血圧の治療には生活習慣の改善が不可欠だが、患者の価値観、意欲、生活環境により左右されるため継続が難しく、医療機関の効果的な介入も困難だった。その「かゆいところに手が届く」のが高血圧治療アプリというわけだ。

 治療ガイダンスは、高血圧治療ガイドラインやさまざまな研究成果に基づき作成した独自のアルゴリズムによって提供される。

 たとえば「今日は味噌汁、スープの汁を飲まないようにしましょう」「20分間ウオーキングしましょう」「今日は6時間眠れるように、夜の生活を見直しましょう」などの内容がプッシュ通知で送られてくる。

「高血圧治療アプリが臨床で使われるようになれば、治療の有力な選択肢のひとつになるだけではありません。高血圧症は生活習慣病の中で最も患者数が多い疾患で、かかる医療費は年間約1.9兆円にも上ります。薬物療法の一部をアプリで代用できれば、かなり医療費が削減できると考えています」

 キュア・アップは、すでにニコチン依存症治療アプリを開発していて、昨年、デジタル療法分野では国内初の保険適用になっている。

 高血圧治療アプリは今年中には薬事承認申請を行い、来年以降の保険適用を目指しているという。

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