身近な病気の正しいクスリの使い方

「低張性脱水」には適量の電解質を含んだ経口補水液を補給

水分だけでなく電解質も補える「経口補水液」を

 一方、運動するなどして大量の汗をかいたり、下痢や嘔吐といった特殊な状況で起こる脱水は「低張性脱水」と呼ばれ、水分と同時に電解質も失われます。そのため、OS―1などの「経口補水液」を摂取し、水分だけでなく電解質を補う必要があります。経口補水液は一般的なスポーツドリンクよりも電解質の濃度が高く、水分と電解質の吸収を早めるために糖分の濃度が低くなっています。適切な量の電解質を含んだ経口補水液は、ドラッグストアなどで処方箋なしで購入することができます。脱水症状を招いてしまった時に備えて備蓄しておくのもいいでしょう。

 暑さが厳しくなるこれからの季節、脱水に対する正しい知識と適切な対処方法を身につけて、脱水から体を守りましょう。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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