時間栄養学と旬の食材

王の果実パイナップルは食前に取ると消化器系障害に効果あり

パイナップルには消化を助けてくれる酵素が含まれている

 また、生パイナップルを食べすぎると舌が痛くなった経験はないでしょうか。これはブロメラインというタンパク質分解酵素が舌上のタンパク質を分解したためです。でも、悪いことだけではありません。ブロメラインは胃液の分泌を促してタンパク質の消化を助けてくれる働きや、胃腸の炎症を鎮めたり腸内の有害物質を分解する作用など、消化器系障害にも効果があると報告されているのです。

 ブロメラインが体内で先回りして消化を促してくれるため、食前に食べるのもおすすめ! この性質を利用して、肉や魚を軟らかくすることもできます。ただし、60度以上に熱すると効果がなくなるので、加熱処理した缶詰などではNG。加熱する前に果汁に漬け込むのがいいでしょう。

 その他、風邪の予防に効果的なビタミンC、糖質を分解する酵素を助け、エネルギーに変えてくれるビタミンB1、整腸作用のある食物繊維、貧血予防に役立つ鉄や酵素を活性化してくれるマグネシウムも含まれています。

 古くなると、おしりからカビが生えたり、軟らかくなりすぎるので、押してみて弾力を感じるパイナップルを選ぶといいでしょう。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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