新型コロナワクチンの疑問に答える

ワクチン接種後の死亡事例751件 因果関係は本当にない?

一時金が認められた事例はない(C)日刊ゲンダイ

【Q】ワクチン接種と死亡の因果関係が認められないのはなぜなのか?

【A】「たとえばワクチンを接種してから1時間以内にアナフィラキシーショックや心停止などを発症したとします。それでも明らかにワクチンが重篤な副作用を起こし死亡した、と証明するのは医学的に非常に難しい。確かにコロナワクチンのスパイクタンパクはヒトの血小板を減少させると報告されています。血小板には複数の血液凝固因子が含まれ、血液の流れに影響を及ぼします。血栓症、心筋梗塞、心筋炎などいくつかの重篤な副反応があることは証明されていますし、アナフィラキシーももちろん起きています。ただし現在のところ、国内の接種例の大半は高齢者です。たまたまワクチンの投与後に軽い心臓発作を生じ、それが重症化してしまう例はあると思いますし、間接的な影響で亡くなった例もそれなりにあると考えられますが、もともと持病を抱えていたり血管が弱っていたりした場合、ワクチンが主だった原因で亡くなったとは判断できません。ワクチンの普及を推進している国としては、正確性が曖昧なものを『副反応が原因』と判定できない。『因果関係は不詳』と報告するほかないのでしょう」

2 / 3 ページ

奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

関連記事