Dr.中川 がんサバイバーの知恵

DJ KOOの陰性投稿が話題 「線虫」「犬」「血液」がん検査の強みと弱み

DJ KOO(C)日刊ゲンダイ

 手軽な検査という点では、血液1滴で13種類のがんの早期発見につなげるマイクロRNAが有望でしょう。感度と特異度は、乳がん97%・92%、卵巣がん99%・100%、すい臓がん98%・94%、大腸がん99%・89%、膀胱がん97%・99%、前立腺がん96%・93%といった具合でとても高い。一部の医療機関では、自費で受診できます。

 これらは“夢の検査”かもしれませんが、真の有効性を評価するには、がんの死亡率を下げるというデータが必要です。そのためには10年以上の月日がかかるでしょう。そのエビデンスが蓄積されるまでは、“夢の検査”を過信せず、すでに有効性が担保されているがん検診をしっかりと受けることが大切です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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