病気を近づけない体のメンテナンス

脳<上>「ポジティブ・シンキング」で脳神経細胞への悪玉ストレスを減らす

写真はイメージ

「なぜ40歳なのかといえば、この頃から『脳の疲労』が蓄積されやすくなるうえに、その疲れが取れにくくなってくるからです。このように、脳が疲れてくる最大の原因は『血流の低下、停滞』にあります。脳の血流量が減ってくれば、それだけ神経細胞のエネルギー源となる酸素や栄養(ブドウ糖)の供給が滞りがちになるからです」

 脳の病気の多くは血流の低下・悪化がベースにあるという。認知症も例外ではない。近年では血流障害がアルツハイマー病のリスクファクターになることを示唆する研究報告も多く見られる。

 2016年に発表されたカナダ・マギル大学の研究グループの報告では「数多くの因子の中で、アルツハイマー病の早期に現れた変化のひとつが血流で、すべての脳領域とすべての時点で異常が見られた」という。

 08年、米国・ノースウエスタン大学の研究グループの報告では「血流量の低下により、脳に十分なブドウ糖が供給されなくなった時、生化学的な反応が次々と起こり、粘着性の異常タンパク質をつくり出すプロセスが開始される」と発表している。

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