病気を近づけない体のメンテナンス

脳<上>「ポジティブ・シンキング」で脳神経細胞への悪玉ストレスを減らす

写真はイメージ

■決め手は脳の血流

 これらの報告のように、脳の血流の悪化が認知症の主要な因子のひとつであれば、それを防ぎ、改善することで病気の予防や改善にもつながる可能性があるわけだ。では、脳の血流低下に何が大きく影響しているのか。

「運動と並んで、私が認知症撃退対策で重視しているのは『ストレスとのつきあい方』です。ストレスは脳の血流を悪くするばかりでなく、自律神経系や内分泌系など、心身のさまざまな面で脳の機能低下にダイレクトに影響します。ただし、ストレスには体に悪い『悪玉ストレス』と、ほどよい緊張や刺激で心身に好影響をもたらす『善玉ストレス』があることを知っておいてもらいたいと思います」

「つらい」「苦痛」を感じる悪玉ストレスは、交感神経が活発に働いて脳の血管を収縮させて緊張させる作用がある。この状態が継続すると脳の動脈硬化が促進され、その結果、血流が悪化して認知症のリスクを高めることになる。

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