新型コロナワクチンの疑問に答える

コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種に問題は?

2021年はインフルエンザワクチンも検討したい(C)共同通信社

【A】「カロナールなどの解熱鎮痛剤を前もって飲んでからワクチンを打つと、免疫反応やサイトカイン(免疫系細胞から分泌されるタンパク質)の産生が抑えられるため、避けた方がいいですね。解熱鎮痛剤の作用で免疫活性の力が低下させられてしまう可能性もあります。服用は、我慢できない局所の痛み、頭痛、発熱や疼痛が出現した場合に限った方がいいでしょう」

【Q】ワクチン接種前後に、やると効果が薄れることはあるか?

【A】「ステロイド剤、抗がん剤、抗リウマチ薬などを使っている患者さんは要注意で、薬の影響によって免疫力を高めるようなリンパ球や自然免疫などの機能が弱体化し、免疫が十分につかないこともあります。該当する患者さんはもちろんですが、そのほかの人でも、接種前の1週間は、解熱鎮痛剤やステロイド剤の入った医薬品を使わない方がいいと考えています」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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