医者も知らない医学の新常識

超音波で肺炎を見つけられる? レントゲンより正確なケースも

写真はイメージ

 肺炎は高齢者の死因としても大きな比率を占めていますし、新型コロナウイルス感染症でも、重症化の大きな原因となる病気です。

 肺炎の診断は胸のレントゲン撮影やCT検査で行われることが通常ですが、寝たきりの高齢者では自宅での検査は困難です。また、新型コロナウイルス感染症で自宅療養をしているような時にも、その診断は難しいのが実際です。そのために、手遅れになって亡くなることがあるのです。

 それでは、肺炎の有無をもっと簡単に調べる方法はないのでしょうか? 最近、注目されているのが超音波(エコー)検査です。人間ドックなどでお腹の検査として行われていますし、妊娠した女性では赤ちゃんの育ち方を見ることもできます。

 ただ、超音波は空気に邪魔されてしまうので、肺のような空気のある場所の検査には不向きだとこれまで考えられていました。しかし、最近の研究により、超音波でも肺炎が見つかることが徐々に分かってきたのです。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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