独白 愉快な“病人”たち

今もお腹に人工メッシュが…猫ひろしさん「鼠径ヘルニア」を振り返る

猫ひろしさん(提供写真)

 手術は生まれて2回目でした。1回目はテレビ番組の企画で受けた包茎手術だったので、かれこれ15年ぐらいぶり。そのときは局部麻酔でしたし、日帰りで術後のケアも自分でしなくちゃいけなくて大変だった記憶があります。

 でも、脱腸の手術は全身麻酔だったので、寝て起きたら全部終わっていて楽でした。

 手術の詳細はよくわかりません。ただ、腸が飛び出してこないように人工のメッシュで筋膜の補強をしているので、今もお腹にそのメッシュが入っているんです。傷口は2~3センチで、今は見てもほとんどわかりません。

 たった1泊でしたけど、人生初の入院でした。一番印象に残っているのは、術後最初のトイレです。先生から「なかなか出ないよ」と言われていたんですけど、痛いのがとにかく嫌いなので尿道カテーテルを断っていたんです。先生の言葉通り、何時間たっても尿が出なくて、夜中に看護師さんから「カテーテル入れましょうか?」と言われてしまいました。「いや……ちょ、ちょっとだけ待ってください」と言って、必死で深呼吸したらなんとかできてホッとしました。あんなに脂汗をかきながらトイレしたのは、後にも先にもあれ一度だけです。

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