コロナ第6波に備える最新知識

「沈黙の臓器」のダメージを知るにはどうしたらいいのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 もうひとつの理由は慢性腎臓病の人の血管はただでさえ弱っているのに、新型コロナがさらに攻撃することがわかっている。

 新型コロナは肺から血管内に侵入。血管の内皮細胞の表面に吸着して血管を攻撃して血管炎を起こしたり、血栓を作ったりする。そのため、他の疾患を持つ人よりも、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の疾患を起こしやすくなる。

 米腎臓学会の報告によると、腎臓の疾患がなく入院せずにコロナから回復した人でも末期の腎臓病になるリスクがコロナに感染していない人の2倍だという。新型コロナによる腎臓への攻撃がいかに強いかがわかる。

 だからこそ冬に確実に訪れるといわれる第6波の前に自分自身の腎機能の状態を知っておきたい。

「腎臓の機能を調べる検査には尿検査と血液検査があります。前者は尿にタンパク質や血液がふくまれていないかを調べるのが目的です。後者は血液中の尿素窒素やクレアチニンなどを調べることで腎臓の状態を診ることになります。また、超音波や腹部CTなどで腎臓の形や大きさや画像診断したり、病状によっては腎臓の組織の一部を取って顕微鏡で調べる腎生検を行うこともあります」

3 / 4 ページ

関連記事