大動脈瘤も検査でしかわからない心臓に関連した病気だ。
「心臓から全身に血液を送る動脈の一部がこぶのように膨らんだ状態を『大動脈瘤』と言います。こぶは、内膜、中膜、外膜の3種類で構成される血管の壁が裂けてそこに血液が流れ込んでできたりします。その原因は不明ですが、肥満や高血圧、糖尿病などと関連しているとも言われています。こぶができても痛くもかゆくもありません。大きくなって神経や他の臓器を圧迫すると自覚症状が出ることはありますが、そのこぶが破裂すると、痛みとショックで死に至ることもあります。だからこそ、大動脈瘤も早期発見と観察が必要です。経過観察している人にとって受診控えは非常に危険です」
いま心臓血管の検診が必要なのは、こうしたリスクのある人だけではない。会社の健康診断や区の健診を受けていても、一定の年齢になったら脳と共に血管や心臓は専門病院でドックを受けた方がいいと渡辺総長は言う。
心臓手術の名医が語るコロナ禍の治療最前線