進化する糖尿病治療法

食事制限にトライしてもうまくいかない人の4つの共通点

写真はイメージ

 糖尿病の食事制限を何度も失敗している人には、いくつかの共通点があります。

【『何の不調もないから治療の必要がない』と考えている】

 糖尿病の大いなる誤解が、これ。糖尿病の治療を途中でドロップアウトしてしまった人の、受診中断の理由としてもよく挙がります。「いま通院しなくても大丈夫だと思う」「食事制限をしたり薬を飲んだりする必要性を感じない」といった声もあります。

 こういう声を聞くたびに、糖尿病がどんな病気であるかを知ることが治療の第一歩であり、モチベーションを上げる必要不可欠な手段、と改めて感じます。

 糖尿病の症状である喉の渇き、多飲、多尿、足のしびれ、体重減少、疲労感、目のかすみやまぶしさ、風邪などの感染症にかかりやすくなった……といったものは、かなり血糖値の高い状態が、ある程度の期間続かないと出てきません。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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