上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

「貧血」の人はヒートショックを起こしやすい素因がある

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 そういう人は、好みの入浴剤を使ってみるのもいいかもしれません。最近は、全国各地の温泉の成分を配合したものや、さまざまな香りや色で五感を楽しませるような多種多様な入浴剤が豊富に揃っています。アスリートの中には、効率よく血流を促進したり、新陳代謝を促す重炭酸ソーダを含んだ入浴剤を使っている選手がたくさんいます。

 このように、「自分が好みで選んだ」入浴剤を使うと、入浴=気に入らない状況ではなくなり、自分にとって入浴はリラックスできる空間・時間になります。そうなれば、副交感神経が活性化して、心臓にとってもプラスになるのです。自宅にリラックスできる空間と時間をつくることは、とりわけ活動的ではなくなってくる高齢者にとっては大切です。

 せっかく習慣的にお風呂に入るのですから、うまく利用して健康に役立てましょう。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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