新型コロナワクチンの疑問に答える

国内で確認された「オミクロン株」はどのくらい脅威なのか

国内で新型コロナウイルスの「オミクロン株」が初確認されたことを伝える電光ニュース(C)共同通信社

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が国内で確認された。WHOは「世界的なリスクは非常に高い」との見方を示し、モデルナ社のバンセルCEOは、ワクチンの効果が「従来の変異株に比べてかなり弱い」と発表している。

【Q】「オミクロン株」は現在、どの程度の脅威とみられていますか?

【A】「まだ詳細に解析されていませんが、その感染力について、南アフリカではデルタ型を上回ると報告されています。これまでで最も変異が多いタイプと思われ、ヒトの細胞表面にある受容体と結合するスパイクタンパク質の部分に関しては、わかっているだけでも32個以上の変異が見つかっています。それが南アフリカを中心に急激に増加しており、英国や香港、イスラエル、オーストラリアなどでも見つかっていますが、オランダでは1度に15人もの感染が明らかになりました。もっとも、重症化する度合いは低いと報告されています」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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