高齢でもLDLコレステロールを下げると心血管病を防げる コロナ禍で改めて注目

写真はイメージ

■画像診断検査を活用すべき

 そんな中、最近になって「LDL低下療法は、75歳以上の高齢者でも75歳未満と同じように心血管イベントの抑制に効果的」とする研究が世界的な医学誌「ランセット」で報告された。米ハーバード大学医学大学院の研究チームが、24の試験を解析した「CTTC」と、5つの単独試験を合わせた6つの研究論文を対象にメタ解析を実施。その結果、高齢者における主要血管イベント(心血管死、心筋梗塞などの急性冠症候群、脳卒中、冠動脈血行再建術)のリスクは、LDL値が1mmol/L低下すると26%低かった。これは、75歳未満の場合(15%のリスク低下)と有意差がなく、高齢者でもLDLを下げるコレステロール低下療法は有益であることがわかった。

「この研究では、スタチン治療とスタチン以外のコレステロール低下療法についても解析していて、どちらも主要血管イベントを有意に抑制していました。論文の著者は、『高齢患者におけるスタチン以外の薬物療法を含むコレステロール低下療法の使用に関するガイドラインの推奨を強化するもの』としています」

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