受験生の食事術

受験本番直前!脳の活性化と食事の関係 ベストな状態を目指す

パフォーマンスをはっきするにはこまめな水分補給を忘れずに(C)PIXTA

 次にタンパク質です。脳内の神経細胞は、「軸索」と呼ばれる長い突起を別の神経細胞に伸ばしてくっつくことで、脳の活動に必要な情報(神経伝達物質)を渡しています。この軸索を伸ばすために必要なタンパク質が「アクチン」です。アクチンは筋肉の繊維でもあるのですが、肉や魚、卵や乳製品のタンパク質を摂ることで神経伝達物質そのもの、そして神経細胞の働きを促してくれるでしょう。

 さらに、脳の働きを改善するため特に注目されているもののひとつに「脂質」があります。米国のレッサー医学博士は、「神経細胞は主にオメガ3脂肪酸で作られているが、体内では作られないため、食事で積極的に取る必要がある」というほどです。オメガ3脂肪酸とはDHA、EPAなどの油脂です。サバ、イワシ、アジなどの青魚やマグロに多く含まれていて、エネルギー源や身体の構成成分となるほか、血中の中性脂肪やコレステロールの量の調節を助ける働きもあります。特にDHA、EPAは酸化しやすいので、抗酸化作用のある色の濃い緑黄色野菜と一緒に食べるのが良いでしょう。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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