コロナ禍で検査が減少…喫煙者で息切れがあればCOPDに注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 息切れが次第にひどくなり、同年代の人と話しながら歩いたり、坂道や階段を上れなくなって、息切れで体を動かすのがつらくなる。

 COPDは動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中、肺がんなど“たばこ関連の病気”のリスクも上げる。たとえば肺がんは、「COPDなし喫煙なし」の発生リスクを1とすると、「COPDあり喫煙あり」は6.19倍だ。

「COPDはフレイルにも大いに関係しています。息切れから身体活動が低下。呼吸にエネルギーを消費するので、栄養障害や体重減少を招きます。筋肉の量や質の低下につながり、負のスパイラルとなってフレイルが進行し、要支援、要介護状態に至りやすくなる」

■診断されていない患者数は推定500万人

 冒頭でCOPDは「ありふれた病気」と述べたが、「周辺にCOPD患者がいない」という人も多いのでは? それは、治療に結びついている患者が少ないからだ。2004年発表の大規模疫学調査によれば、日本人の40歳以上のCOPD有病率は8.6%で、推定患者数は530万人。しかし、17年の厚労省患者調査では病院でCOPDと診断された患者数は22万人。COPDなのに、診断されていない人は推定500万人もいる。

2 / 4 ページ

関連記事