医者も知らない医学の新常識

肉アレルギーがあると心臓が悪くなる? 血管病専門誌に掲載

写真はイメージ

 食物アレルギーというのは、食べ物の中に含まれている、ヒトの体には存在しないタンパク質に対し免疫が反応して起こると考えられています。牛肉や豚肉などの赤身肉の成分は、ヒトのものと大きな差はありません。その理屈でいえば、赤身肉では食物アレルギーは起こらないと考えられます。

 ところが最近、原因不明のアレルギーの中に、赤身肉が原因となっているものがあることが、世界中で報告されています。なぜ、そうしたことが起こるのでしょうか?

 研究の結果で、「α-Gal」という肉に含まれる糖質の一種が体の中で脂肪と結合することにより、アレルギーを起こすということが分かりました。通常ではそうしたアレルギーは起こらないのですが、ダニに噛まれると免疫が変化して起こるようになるという不思議な現象も確認されています。

 今年の動脈硬化などの血管病の専門誌に、肉アレルギーと心臓の病気との関係を検証した研究結果が報告されています。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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