新型コロナウイルスへの「新たなる武器」が! 日本人医学者が英医学誌に発表

ソルボンヌ大学医学部の根来秀行教授(提供写真)

 新型コロナウイルスは日本で400万人を感染させ、2万人超の命を奪っている。そのウイルスを攻撃できるヒントが私たちの身の回りにある物質の中にもあるとは意外だ。

 では、そうした物質をたくさん取れば新型コロナを予防し、症状を改善できるということなのか?

「そういうことではありません。重要なのはG4構造、HO-1をターゲットにした新しい治療メカニズムをどのように応用するかです。実際、私の研究室などでは5-ALAとSFC以外の物質でも、これらのメカニズムをより効率的に操る研究が進行しています。臨床で有用と判断するには、さらに遺伝子レベルでのメカニズムを科学的に検証しつつ、実際の効果や安全性、どんな薬剤をどのタイミングで、どのくらいの量を摂取するのがいいのか、などを多施設でのランダム化比較試験を長期に行い検証しなければなりません。素人考えで行うのは危険です」

 5-ALAとSFCを組み合わせて新型コロナ感染者に投与する治験は、国内外ですでに始まっている。早期の治療薬の実現を期待したい。

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