「老人性うつ」で知っておきたいこと…米国の調査では高齢者の10%が該当

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■身近な人を亡くしたときは要注意

「さらに、定年や仕事の減少などで、社会的な役割喪失への不安も生じる。年を重ねるほどに、配偶者や親しい友人など、身近な人を亡くす経験も増える」

 うつと生活習慣病との関係も明らかになっている。老人性うつのリスクとして、喫煙、拡張期血圧、肥満、高血圧、糖尿病が知られている。特にうつ病と糖尿病は相互関係にあり、うつ病の人の糖尿病の発症リスクは1.6倍、糖尿病の人ではうつ病発症リスクが1.15倍との報告がある。

「高齢者はどこかひとつバランスを崩すと、ほかの臓器にも影響し、身体的なつらさが増す。それが精神状態に影響を与え、うつ病へと至るケースもあります」

 高齢者は、うつ病の要因をたくさん抱えているとも言える。アメリカの研究では、65歳以上の高齢者の10%には何らかのうつ病性障害が認められるという報告がある。

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