「老人性うつ」で知っておきたいこと…米国の調査では高齢者の10%が該当

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 では、高齢の親がもし「老人性うつ」だった場合、早くに発見するにはどういうことを知っておくべきか?

「先ほども述べましたが、高齢者のうつでは身体症状(不定愁訴)が先に強く出てくるケースが多いのです。病院で検査を受けたが異常は見つからなかった場合は、うつ病が背景にあることを疑った方がいいでしょう。検査では原因がみつからない不定愁訴は、自律神経失調症と診断されがち。そう言われた場合も、心療内科または精神科、高齢者のうつ病をよく診ている内科などで、診てもらうことをお勧めします」

 身体症状の出たタイミングが、配偶者の死、親しい友人の死、定年退職など「うつ病を発症しやすい状況」と同時期であれば、よりうつ病が疑われる。

「うつであれば、抗うつ薬SSRIの服用で改善が見られます。ただ、効果が見られるのは数週間服用してから。服用しはじめは一時的に不調が強く出るようになるかもしれません。薬の説明もしっかりしてくれる医師のもとで治療を受けてください」

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