年間1万人と予想される梅毒感染でリスクが上昇 「HIV」「エイズ」に気をつけたい

梅毒に感染しているとHIV感染リスクが高くなる(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「感染したらどうせ助からない、ならば発症するまでその事実を知りたくない、検査は受けない、という人もいますが、それは勘違いです。昔とは違い、いまはエイズ発症前のHIV感染時点で治療をすれば95%以上は発症を抑えられ、他人への感染を防げるようになっています。検査を先延ばしして『いきなりエイズ』を告げられることは避けなければなりません」

■保健所なら「匿名」「無料」で検査できる

 HIV検査はわずか5㏄の採血で終わる血液検査だ。一般的な医療機関では有料だが匿名でОK。保健所なら匿名、無料で受けられる。

 ところが新型コロナの感染拡大によって検査を受ける人が減っており、早期発見、早期治療の体制が崩れることを医療関係者は懸念しているという。

「エイズ動向委員会の令和4年3月15日発表によると、令和3年1~12月の保健所などにおけるHIV抗体検査数(確定値)は5万8172件で、過去20年間で最低でした。保健所などにおける相談件数も同様です。梅毒が急拡大している中、その梅毒と関係が深いHIVやエイズへの関心が薄れていることを心配しています。令和3年の約1年間の新規HIV感染者報告数は717件で過去3番目に低く、『いきなりエイズ』を告げられた新規エイズ患者報告数も306件で過去最低だったのも、単に検査数が減ったせいかもしれず、実態はむしろ増えているかもしれないのです」

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