名医が答える病気と体の悩み

祖父や祖母が認知症だった場合、遺伝する可能性は高いのか

脳神経内科医の内野勝行氏(提供写真)

 2020年の厚生労働省老健局「認知症施策の総合的な推進について」によれば、65歳以上で認知症の数は約602万人とされています。65歳以上の人口の約6人に1人が該当しますが、患者さんのほとんどが加齢による認知機能の低下が原因です。

 全認知症の中でもっとも割合が高いのがアルツハイマー型認知症で、全体の約68%を占めます。そのうち、約9割は遺伝と関係のない孤発性アルツハイマー型認知症です。

 残りの約1割が遺伝によって発症する家族性アルツハイマー型認知症になります。

 家族性は、両親のいずれかがアルツハイマー型認知症にかかっていると50%の確率で発症すると考えられています。

 祖父母のいずれかだけなら25%と確率は下がっていきます。また、遺伝の場合は若いうちに発症するケースが多いのが特徴で、親が70代で発症したなら、本人は20歳ほど若い40~50代で発症し、進行も速くなります。

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