ジェネリックも先発薬も…深刻な「クスリ不足」の現状はどうなっているのか

深刻なクスリ不足

 別のジェネリックがない場合、先発薬への切り替えを検討するが、どこの医療機関も薬局も同じことを考えるため、先発薬も不足しているという。

「クスリ不足の状況が続いていることから、そのクスリが本当に必要な状態の患者以外には出さないようにとの“お願い”が通達されたケースもありました。たとえば、骨粗しょう症の患者さんに使われる活性型ビタミンD3製剤のエルデカルシトールというクスリは、ジェネリックも先発薬も不足したことから、代わりに少し効果が弱いアルファカルシドールというクスリが出されていました。しかし、アルファカルシドールは副甲状腺機能低下症、腎不全に伴う続発性副甲状腺機能亢進症、くる病・骨軟化症といった疾患の患者さんにとって必要度が高いため、骨粗しょう症の患者さんには使わないよう学会から要望があったのです。結局、骨粗しょう症の患者さんにはビタミンDのサプリメントを自身で購入してもらうことになりました」

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